魔術基礎講座00008 実技 召喚魔術成功の秘訣1

魔術基礎講座00008 実技 召喚魔術成功の秘訣

召喚魔術で重要なことは「成り切る」ということです。精霊や悪魔といった存在に命令をくだして意のままに操るのですから、呼び出される精霊や悪魔からは、魔術師には一目置かれていないと彼らは従いません。

自分よりも霊的なヒエラルキーが下の存在を呼ぶほうが成功しやすいというのはそういう理由です。

つまり、人間のサラリーマン世界で課長が主任を駆使することはたやすいですが、では課長が自分よりも上位の部長を動かすには?あの手この手の作を勞さないと成功しませんね。それと同じことです。

悪魔を召喚するとき(本当は自分よりも霊的なヒエラルキーが下の存在を呼び出し使役することを「喚起」といいますが、ここでは便宜上召喚で統一しましょう。)の大切な注意事項をあげてみます。

まず呼び出す対象の詳細データを集める

最近はインターネットで精霊や悪魔の詳細情報が豊富に公開されています。しかし問題はそれを受け止める魔術師側です。どういうことかというと、例えば「魔神バール」を呼び出そうとして、バール神の情報を集めるとします。画像がある場合もあればない場合もあります。

召喚魔術の次第書には「魔神をありありと思い浮かべ・・・」といったような事が書いてあると思います。そこでこの画像を使うことになります。しかしこのような視覚化が簡単にできるのであれば世話ないです。簡単に視覚化ができるような人は、魔術師の中でも比較的実力者でしょう。

とはいえ、いくら画像を見ても、普通はありありとは目の前に出てきてくれないものです。画像をジックリ見て、目をつむって、瞑目した暗闇の中で思い浮かべばしめたもの、と思い瞑目します。でも目をつむっても画像は出てこない。そこでリトライ・・・、何回かその工程を繰り返します。しかし、思い浮かばない。

これでは、始める前から失敗しています。
なぜでしょうか?

それはネットで集めた魔神バールの画像は生きた魔神バールではないからです。

ではあなたの好きな人あるいは嫌いな人を思い浮かべましょう・・・、と言われたらいくらでもイメージがでてくると思います。
もちろん、どんなに仲のいい友達でも、気に食わない人でも、「ありありと・・・・」という訳にはいかないでしょう。人間の想像力には限界があり、かならず欠落が生じているから。

しかし自分と日常を共有している人間は通じるものがあるので魔神よりは親近感があると思います。

いっそのこと、魔神の写真を見ながら召喚魔術を・・・、とも思うでしょうけれど、やはり写真は写真に過ぎません。リアルさに欠けるのです。会社に魔神バールが出勤していて帰りはいつも飲みに行くという人はいません。

魔神バールは非日常的な存在です。

対策:悪魔や神の定義は「深層意識の中に眠っている意識エネルギー」です。魔術では両者が住んでいる世界のギャップを埋めるために「象徴(シンボル)」という便利なものを使います。

例えば、「安定していて堅固不抜なもの」というイメージを掴むために人にどのようにあの手この手で説明しても解ってもらえません。ところが「四角形」とか「正三角形」というものを象徴として考えると、四角形を見ているうちに、「安定していて堅固不抜なもの」というイメージを何となく感得します。逆三角形なんかは、何となく不安定で何かしらこれから変革が起きそうな、そんなイメージがあります。

この原理を応用します。

まず「魔神バール」の詳細データを収集します。バールの性格などをよく理解したら、あなたの身の周りで「魔神バール」のような性格を持っている人はいないかどうか。それを探します。まず少ないでしょう、そんな人は。でも悪魔の数は人間の数と同等かそれ以上存在していると言われています。どういう意味かと言うと、悪魔も所詮は人間の心の中に生きているものだからです。別に特殊なものではないのです。もしも見当たらなかったら、近い人を見つけて、その人の性格をデフォルメしてバールとして扱えばいいのです。

召喚魔術で魔神バールの写真を見ながら、あなたがこの世界で見つけた魔神バールの代理人を重ねてイメージし、その代理人に話しかけるようにすればいいのです。

つまりあなたが見つけた「魔神バールの代理人」が目に見えない魔神バールの象徴になるわけですね。

この方法を使うと面白いほど召喚魔術の結果をつかめるようになります。では自分の召喚魔術が成功したかどうかは、どのように判るのでしょうか?

次回はこの事についてお話します。


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