魔術基礎講座00007 技法 アストラル飛行

魔術基礎講座00007 実技 アストラル投射

まず認識を合わせておきます。一般的に言われている「アストラル投射」とは幻視技法(スクライングと呼ばれる)のうちの1つで物理的な肉体からアストラル体を飛び出させて、4次元世界(アストラル世界)を見たり、過去へ旅行したり、遠隔地にもその飛び出したアストラル体で自由に行き来する、といった能力です。これは魔術師には不可欠な能力です。なぜならば、儀式魔術でアストラル世界の住人と接点を持って、様々な頼み事をする時に必要なのです。

[*アストラル世界の住人とはGOETIAであればソロモンの72柱の悪魔たちであり、ルシファー魔術であればルシファー、サマエル、ヘカテ、リリス、ヤノクディノイ等々・・・といった悪魔たちです]

ところが僕のルシフェリアン魔術に於ける「アストラル投射」は通常の魔術テクニックとは少し異なっていて、2種類のアストラル投射の方法があります。

その1:簡易版
その2:本格版

最初の「簡易版」は巷で(巷の西洋魔術で)言われている普通の「アストラル投射」です。この記事は実技編なのですが、上記その1の実技・方法はインターネットを検索していただければたくさん出てきます。また書籍もたくさん出版されています。どの方法でも大同小異なので、あなたに合った方法を見つければいいと思います。

問題はその2の「本格版」です。これは例によって中国道教の技法です。まずこの本格版はどのようなものかを理解してください。一言で言うと「実体を持ったアストラル体」です。

しかし中国仙道では、まず「アストラル云々」という名称はついていません。この技法の名前を『出神(しゅっしん)の術』と呼んでいる本が多いです。どういうものかということを、順序立ててお話していきます。

おそらくこの話を聞けば、あなたもこの並のアストラル投射よりも数倍優れているということに同意するでしょう。

「魔術基礎講座00006実技 呼吸法2」に書きましたように、呼吸法をマスターした後の仙道修行は「小周天法」という段階に入ります。仙道の最終目的は『還虚(かんきょ)』と言われている、自分自身が気化してしまうことで、つまり「虚に戻る(還る)」ということです。そして還虚へ至る途中での通過点が、この『出神』なのです。

「魔術基礎講座00006実技 呼吸法2」で書いた呼吸法で発生させた陽気を、さらに「小周天法」で何回も経絡に沿って意識をかけて動かしていくと、陽気は「陽神」というものに変化していきます。陽気に意識を集中して出来た「陽神」は自分の分身なのです。そしてこの陽神という分身を頭頂から外へ出すのが「出神」という術です。最初、陽神の大きさは10cm程らしいですね。最初は赤ちゃんと同じなので、陽神を頭頂から出しても近くを歩かせる程度ですが、徐々に行動範囲を広げていくとのこと。三年も経てばこの陽神はすっかり成長し、あらゆる場所に行けるようになる。

陽神は「気」から出来上がって入るものの、新しい身体と考えたほうがより正しいようですね。なぜならば、物質化のレベルも僕たちのこの身体とあまり変わらないようで、誰とでも談話でき、食事をすることも可能なのです。趙避塵という仙人は「散ずれば気となり、集まれば形をなす」と言っているそうです。

同じく「陰神」というものがある、と趙避塵仙人はいいます。「陰神はただ瞑想だけおこなってできたもので、一種の霊気である。他人を見ることはできるが、人々からは見えない。もちろん人と話をすることなどは出来ないし、ものを食べることも不可能だ」つまり陽神は、幽霊などの非物質的存在とは違うのです。人間と同じ力や機能をもっている不思議な存在なのです。

魔術で一般的に言われているのは、この「陰神」のほうでしょう。アストラル視力は手に入るので、儀式魔術で異次元の存在とやり取りすることぐらいはできるわけです。

基本的にこの陽神は不死です。なので、サン・ジェルマン伯爵とかいった魔術師は中国・道教の技法ではない他の技術を使って陽神を完成させたのかもしれません。

僕が毎日欠かさずに練習しているのは、BWT (Brotherhood of the White Temple) 直伝のもので、以下のようなものです。

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アストラル界旅行能力開発
背中を床につけて仰臥し、両手は体側にだらりとおき、足は組まずにまっすぐにしておく。なめらかで律動的な呼吸を続ける。つまり、呼気の時間も吸気の時間も同一な呼吸をする。
そして想念を次の順序で移動していく。
>> 左足の、親指→かかと→足首→ふくらはぎ→膝→もも
同様に
>> 右足の、親指→かかと→足首→ふくらはぎ→膝→もも
右足が終わった後は、
>> 陰部→腹→太陽神経叢→心臓→咽喉
>> 咽喉のところでしばらくそこに集中を続ける。
>> 想念を眉間へ移動する
>> 眉間のところでしばらくそこに集中を続ける。
>> 想念を松果体に移動する
>> 松果体のところでしばらくそこに集中を続ける。
>> 最後に頭の左側の外の方へ持っていく。
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太陽神経叢に意識を持ってくるあたりで、かならずフワッと浮かび上がる感じがします。

その他には、止観法のうちの目の前に立体像を描き出す「観法」の訓練を色々と工夫しながら進めています。あとは喚起魔術で実際に呼び出すアストラル界の住人をイメージすることによって感覚を磨くというのが、もっともわかりやすい練習法でもあります。

しかし僕にとっては「陽神」のインパクトが強く、アストラル飛行というよりも出神を目指しているといったほうがいいですね。

追記:アストラル体投射に関しては20世紀のヘルメス主義魔術師として有名であったベンジャミン・ロウ(Benjamin Rowe 1952 - 2002)による「幻視の短期コース」というものが参考になるかもしれません。しかし僕はあまり合わなかったようです。
https://wiki3.jp/occult_/page/91


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