霊的な護身 日本密教の修法にしても西洋魔術にしても、その類の霊的な作業を行うときは、どの教則本でも必ず最初に場を浄め自分自身を浄め、霊的な邪霊が寄って来ないように、それを防ぐ方法が書いてあります。 僕は密教の道場で「護身法」というものを習いました。そして現在に至るまでの40年間というもの、護身法から離れたことはありません。これは「師から弟子へ伝えていくものなので、他言は無用」と教わりましたので、僕は「スゴイものを教わってしまった」と内心舞い上がっていました。ところがその後何年かして、古本屋さんや新刊書店へ行ったら、この情報はけっこう公開されていて・・・・。ちょっとがっかりしました。西洋魔術の世界でも、「場を浄め自分を浄める」ものとしては、「カバラ十字」「五芒星の小儀礼」「五芒星の大儀礼」といった術式がありますが、これも本屋さんやインターネットでもオープンにされていますけれど、かつては団のなかで極秘であったようですね。時代は変わるというか・・・・。 これらの術式は自分のいる場所を浄化して、自分の周囲に「バリア」を張り巡らす効果があります。「結界を張る」という言葉は最近一般的になってきましたが、その「結界」がまさにこれです。目に見えない力を防ぐために、目に見えないバリアをつくるわけですが、そもそも目に見えない力そのものが、目に見えないので、どう捉えたらいいのか・・・・?そしてバリアを張ったつもりでも目に見えないので、本当に効いているのかどうか?それすら疑問でした。 そして更に目に見えない「邪な力・不浄な力」を防ぐのに一定のマントラや所作を用いるのですが、「なぜこれを使わないと防げないのか?」と不思議でしょうがなかったです。他のマントラではなぜいけないのか?と疑問に思っていました。 つまり僕は最初半信半疑だったのです。でも見えないものは仕方ありません。意味が解らないものはしょうがありません、意味もわからず機械的に毎日履修していました。 その疑問は長い間続きましたが、勉強を重ねているうちに解ってきたことがあります。それは、じつはこう言った防御の効力をもつ術式が考案された背景には、ちゃんとそれなりの理由があるということなのです。そしてその理由を理解するとさらに効果が高まる。 「護身法」を例にしてお話しますと、宇宙の法則のようなものが、その文言の中にはキチンとコンパクトに纏まっていて、それらを唱えることにより行者の精神を積極的な方向へと導いていくのです。「お前はいま、目に見えない力に取り囲まれているんだぞ」という自己暗示をかけているようなものです。それがただ単に理性を放棄しておまじないのように唱えるのではなく、その文言の中には哲学があります。五芒星の大儀礼をよく解析して理解してみることにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?一段ステップアップできると思います。 もちろん、理性を投げ出して「ただひたすら虚心に唱えるだけ」という方法もあるようですが、あれはあれでまた別の意義があるようです。 地球上に人間として生まれてきた存在は、手とか足、脳、意識、それらすべてがあるから上昇していけるのです。霊体になってしまってからではそれは出来ないのです。 魔術団体 HAKKII KOZE