魔術基礎講座00006 実技 呼吸法2

魔術基礎講座00006

前回の「呼吸法」の続きです。

呼吸法から入り「小周天」というのは中華圏の仙人の間では入門コースとしてはスタンダードなようですね。超人といわれた「王力平」という気功師(中国大陸)の本にも中国式修行の有様が書いてあります。このような呼吸法の細部に関してはは書いてありませんが、小周天法をはじめとして、その他の様々な興味深い修行法について書かれています。
参考までに:興味がある方は「驚異の超気功師 王力平 金孝延著 徳間書店」をお読みください。

王力平がこなしてきた過酷な修行法をいきなりは無理ですが、一般の人でも超人の境地へ向かっていくことは、地道な努力で可能になるはずです。

では。
魔術基礎講座00005からの続き

内呼吸
前回は外呼吸の大体の説明をしました。今回は内呼吸からです。内呼吸とは、体内で「陽気」を発生させるための呼吸法です。
内呼吸は次のように分類されます(これは台湾の許進忠 [きょしんちゅう] 仙人による分類)

1 ) 武息(武火呼吸)
   武火とは強火のことです。料理の調理法で火加減のことを「強火」「中火」「とろ火」とか言いますが、あの強火のことです。この呼吸は仙人になるための第一ステップです。意識をかけた強い呼吸によって、下丹田(下腹の丹田)に陽気を発生させます。

*豆知識:人体の丹田には上中下の3つの丹田があります。
上丹田 眉間のあたり(印堂=アジナーチャクラ)
中丹田 体の中心線と両乳首を結んだ線との交点のあたり(膻中=アナハタチャクラ)
下丹田 俗に言う「臍下丹田」、お臍の下10~15cmぐらいのところです。普通丹田と言うとこの下丹田を指します。

武息の呼吸の仕方は腹式呼吸(調息)と同じやりかたです。しかし吸気と呼気の間に停気というものを入れる。停気とは息を止めること。この停気のときに下丹田に向かって強い意識をかけます。すると下丹田が熱くなってきます(熱=陽気が発生する)。吸気と呼気の長短によって3つのパターンがあります。

①吸気と呼気の長さが等しい武息:最初に下丹田で陽気を発生させる時に用いる。
②吸気が短く呼気が長い武息:陽気発生後に陽気が頭に上った後、任脈を通して下丹田へ下ろす時に用いる。
③吸気が長く呼気が短い武息:陽気発生後、陽気を尾てい骨から頭に向けて上げる時に用いる。

*注意1:この武息に関しては①のものをテンポを早め、フイゴのような呼吸を行うと急速に陽気が発生します。これはクンダリーニ・ヨーガで行われる「火の呼吸」とほぼ同じです。僕はクンダリーニ・ヨーガの指導も受けたことがありますが(ヨーギーはインド人の先生で指導者は白人でした)、火の呼吸は強烈です。こればかりは実地指導でないと伝え切れないですね。

*注意2:あと補助手段として次の2つがあります。
>>> 1
肛門の締め上げ:これは最初のうちは難しいです。最初は腹筋と一緒に肛門を締め上げる練習をするといいですね。慣れてきたら腹筋を使わないで肛門だけをキュッと締めて緩めるといった運動をするわけです。滋養強壮・勢力増強にものすごい効果です。補助手段と言いましたけど、下手をすればこれだけでも充分に陽気を発生させることができます。僕は仙道修行中は勤め人でしたが、通勤に片道1時間半かかりましたが電車の中でずっとこれをやっていました。締めて緩めるで「いち」。1秒かかるわけです。連続してやりますから、1分は60秒、1時間半は90分ですから、5,400秒、つまり通勤片道で5,400回肛門の締め上げ体操ができるんです。往復で10,800回。僕は何年間通ったか覚えていませんが、まとめて電車に乗れるほうがありがたかったです。乗り換えが多いと、乗り換えの間は気が散るためです。1年間でなんと3,888,000回の肛門締め上げ体操ができたのです。病気知らずでした。いまも内臓は丈夫ですが。通勤時間が長いとかかんとか、文句を言っている人も多かったですが、僕は通勤時間が長いほうが嬉しかったのです。
>>> 2
下腹部を急速に動かす:できれば息を止めたまま肛門を締めたままの状態で急速に下腹部を前後に動かすのです。これも真冬でも汗が出てくるほど体が温まります。

*その他にもクンダリーニ・ヨーガで習ったテクニックを多用すれば陽気はすぐに上がります。
一たん身体に覚え込ませれば、あとは年齢が高くなっても少しやればすぐに陽気が発生します。
****重要注意****
激しい呼吸(武息)は女性の方はやらないでください。女性の体、特に下腹部は男性よりも複雑な機構なので、何かしらの弊害や損傷が発生する可能性があります。肛門の締め上げぐらいなら大丈夫だと思います。

2 ) 文息(文火呼吸)
     文火とはとろ火のことを言います。呼吸の仕方は調息と同じです。ただ、意識をまったくかけていないのに、下腹が自動的に動いていってしまう腹式呼吸とでも言いましょうか。この呼吸は武息のようにハッキリと特殊な呼吸をしているということが判るのではなく、とてもかすかに呼吸をしていないかの如くの判らない呼吸になります。これは陽気を発生させて経絡にそって動かしていく際に各ツボで動きを止めて意識で練る(これを温養といいます)ときに用います。ということは、武息を完全にマスターして、陽気を自由に回すことができてはじめて必要になってくるわけです。

3 ) 真息
     呼吸とは普通口や鼻を使って呼吸しますが、この呼吸は口や鼻を使わないといった難易度の高い呼吸です。これから後の記述は僕自身が体験していませんので先生の本からの転用です。

文息の段階で温養を長いこと続けていると白い光が見えてくる(これは僕も時々見えました、キラッと光って視界を横切ります)。やがてそれが回転を始め、丹として練れてくると呼吸が停止する。徐々に文息の呼気と吸気の時間が長くなり、ついには、呼吸をしてないと同じぐらいの長さになった時にこの現象は出現する。急に息を止めるのとは違うので、まったく苦しいことはない。

**「黄金の華の秘密」に同様な記述がありました。なにかヒントがあるかもしれません。

4 ) 胎息
   哺乳類が母親の胎内にいた時にしていた呼吸というところから、こういう名前がついたそうです。これも僕は経験がないため、一般的な知識しか書けません。

以上です。呼吸法はまだまだ様々なものがあるのですが、まずはこの「外呼吸」と「内呼吸」をよく理解してください。そして武息だけでもマスターしてください。そうすればあなたの体力は異常に強くなります。

魔術団体 HAKKII
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