魔術基礎講座00005 実技 呼吸法1

魔術基礎講座00005

僕は以前相当長い間、中国の気功法の訓練をしていました。この気功法の訓練が魔術師の仕事に大きな影響を与えます。あなたは、気功法の訓練は魔術の訓練と関係がないと思いますか? ところが大きく関係してくるのです。

その理由をこれからお話します。もっともこれは魔術に限らず全ての道に当てはまると思いますが。

気功法を習っていたときに、中国人の気功の先生から聞いた話です。「一つの功法を日本人と中国人の両方に教えた場合、効果がまったく違う」というんです。もちろん中国の先生は、日本人と中国人両方にまったく同じ気功法を教えるのです。でも結果として中国人の方が日本人よりも大きな効果が出る。これは生まれ育った地域の風土、食べ物、等環境の影響です。体質が食べ物や思想によって異なるのです。そして気功法は中国で生まれた文化なので、中国人向けにできていますから、中国人の方が高い効果が出るのは当然だと思います。

それはそれで一件落着なのですが、その他の角度から追求はできないだろうか?ということですね。どのような文化でも世界中の人々が、自分のものにできなければせっかくの世界的な資産も宝の持ち腐れです。

さらに、日本人でも中国人並みのエネルギーを身につけて体質を、エネルギッシュなものに改善できれば、同じ功法を習って日本人だけ効果が薄いということもなくなるわけです。

そしてこれは何も気功法をマスターするということに的を絞っているわけではないのです。

中国人と欧米人の気の圧力はとても高いです。魔術をやっても日本人の体質だと、残念ながら効果の面でちょっと引けをとってしまいます。

そこでこの基礎講座のテーマである「熱とパワー」ということになります。つまり魔術師の「熱とパワー=気」を高めて魔術パワーをレベルアップしましょう、ということです。


◆では具体的な実技の解説に入ります:

以下の方法は僕が台湾で仙道を習得してきた人(日本人)から直接に習った方法です。00004で書いたように、僕がオープンにするノウハウはすべて先生となった人(メンター)から(始祖が亡くなっていたらお弟子さんから)直接に教わったものであり、何の変更も加えていません。

まず最初に:
最初から気功法を練習するということになると、以下の2つの理由により実現できません。

1 ) 身体の動きは文字だけでは伝えることはできない。動画配信をすればいいかもしれませんが、すると次から次へ疑問点が出てきて、とても一回や二回の質疑応答では間に合わないのです。すると「料金」も発生します。これは、「なるべく廉価で優れたノウハウを」という僕のポリシーから外れてしまいます。

2 ) たとえ場所を確保できたとしても、ある程度動きが取れる広さの場所が必要です。場所が広くなれば場所代がかかります。これまた「廉価で優れたノウハウ」という僕のポリシーから外れます。

以上、インターネット上で、もしも気功法のノウハウ伝授を行うとなると、場所がないということが大きな問題なのです。そこでこのノウハウは、タタミ一畳でも練習できる、それでいてちょっとした「体操」の効果しかのぞめない気功法よりも数段大きな成果を得ることができると言った「仙道」のエキスをお伝えします。やるべきことは「呼吸法」と「意識の集中」だけです。それでいてマスターすれば効果は高いのです。

もしもこのサイトを訪問しているのが、魔術師志望の方であった場合は、まさにうってつけでしょう。将来あなたは必ず大物魔術師になるでしょう。西洋魔術の修練をしている魔術師志望者が中国仙道のノウハウを取り入れて悪いことはありません。

なお東西の知の交流はオカルト世界でも意外と進んでいます。僕はGD(黄金の夜明け団)の暴露本といわれた「黄金の夜明け魔術全書」のなかで、「黄金の華の秘密」という書籍が紹介されているのを見つけました。もちろん僕は早速アマゾンで購入しました。C.G.ユングとR.ヴィルヘルム共著の本で、内容は「太乙金華宗旨」と「慧命経」の実践的な解説です。僕も中国道教の本や、これら2つの書籍は原書で持っていますが、このように実践面で詳説している資料はありがたいです。「黄金の華の秘密」は西洋人が見た東洋神秘主義がよく解ります。同時に西洋隠秘主義を別の角度から見ることができます。素晴らしい本です。

以下は「太乙金華宗旨」や「慧命経」の内容ではありませんが、それ以前の基礎体力づくりでやっておくべき内容です。

◆呼吸法の種類
呼吸法
       外呼吸
           胸式呼吸(凡息)
           腹式呼吸(調息)
           逆式呼吸
       内呼吸
           武息(武火呼吸)
           文息(文火呼吸)
           真息
           胎息

まずは、その一つ一つがどういうものかを説明します。

呼吸法は他の修行に比べると、身につくまでは面倒ですが、自分の体で覚えてしまうと、効果の面では目覚ましいものがあります。しかし他の修行法と併用して進めたほうがいいでしょう。例えば「生まれなき者の召喚」といった召喚魔術の基本というような行法とともに呼吸法をシッカリ行っていくと(別にGOETIAでもいいのですけど)、双方に良い結果が得られるようです(あくまでも僕の経験値です)。

外呼吸 生体を維持するためだけの呼吸
1 ) 胸式呼吸 
     別名「凡息」とも。要するに普段から行っている普通の呼吸で、浅い呼吸です。昔から息が浅かったり短かかったりする呼吸は、「息」を「生き」にかけて、短い人生(短命)だというようなことを言います。あながち間違ってはいないでしょう。肺の部分しか使っていない呼吸なので、呼吸数も多く健康増進といった意味でもあまりメリットはない呼吸です。
2 ) 腹式呼吸
     別名「調息」とも。腹式呼吸なので息を吸う時に、下腹部を膨らませます。息を吐くときに下腹部をへこませます。胸式呼吸に比べると酸素を大量に吸収できます。さらに腹部の血行も良くなるので、健康増進になります。呼吸数も少なくなるため、せっかちな性格を改めるための一助にもなります。
3 ) 逆式呼吸
     腹式呼吸とは真逆な呼吸法。つまり、息を吸う時に腹部をへこませ、息を吐くときに腹部を膨らませます。この呼吸法のメリットとしては、腹力が増して腹筋が強くなるということです。デメリットとしては、長い間続けていると下腹が出っ張りだして無様なスタイルになると言われています。さらなるデメリットは次のステップの内呼吸の時に内呼吸の方法と逆になるので、内呼吸の進歩に悪影響を与えるということです。

呼吸法だけでも結構長くなるので、この00005ではここまでとします。

以上

魔術団体HAKKII
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